キ:キャロルキング

はじめて、海の向こうの人で、しかもライブを観ていない(これは、本当に残念無念)音人が登場します。キャロルキングは、71年発表の「Tapestry:邦題つづれおり」がすごく有名ですけど、そのアルバムを手に入れたのは、72年の夏の始めでした。当時Mさんに失恋したと頑なに思い込んでいた(まるで、馬場さんの「センチ…」の歌詞にあるような状態の)僕は、夏の終わりに、ずっとこのアルバムを聞きながら泣いて?おりました。だから、今でも「It’s Too Late」を聞くと、72年の夏に自分の部屋にあったステレオ(東芝の観音開き型)の姿をはっきりと思い出します。

大滝さんは、「僕にとってキャロルキングと言えば、ロコモーシヨンだね〜。」とラジオで発言されておられましたが、僕にとってのイチバンは、62年発表の「It Might As Well Until September」です。職業作曲家時代に本人が歌って、全米22位にチャートインした作品ですが、僕は70年代半ば頃に日本のキングレコードから出たポップスのコンピ集の廉価盤(たぶん1,300円)に収録されていた1曲として出会いました。シンガーソングライターのキャロルキングしか知らなかった身としては、すごく新鮮に感じたものです。(同じ頃、シュガーベイブの「SONGS」というアルバムの明るいメロデイにも驚いた)POPな感覚の弾けるような明るいメロデイー、そして若いキャロルキングの声。アイドル歌謡と言ってもよいこの曲で、キャロルキングの楽曲の引き出しを時代を遡って空けたくなったのです。



そんなキャロルキングの引き出しをコンパクトにまとめたコンピレーシヨンCDを何年か前に見つけました。英国盤で「GOFFIN & KING SONGBOOK」というタイトルの24曲入り1枚もの(何せ1曲が短いですから・・・)です。まずジャケットに写る当時の相棒(ご主人でもある)ジエリー・ゴフインとのツーシヨットが仲睦まじい限りで、何才位なんだろうか?ショートヘアのキャロルはすごく可愛い!このアルバムは、60年代に彼女が曲を提供した様々なアーテイストによるレコーデイングが収録(前述の「It Might…」も収録)されていますが、どの曲もキャッチーなメロデイで素晴らしい曲ばかりです。なかでも、マキシンブラウンという人が歌っている「Oh No Not My Baby」いい曲ですね。

これを書くために、キャロルキングの新譜「Love Makes The World」を買いましたが、こちらにも、ピアノとベースだけで歌われる「Oh No Not My Baby」がセルフカバー(「Pearls」に続き2度目)されています。新譜では、年を重ねて深まる味わいと、いつまでも若々しいキャロルの声が、同時に楽しめます。楽曲も演奏も(僕のイチオシは、「I Don't Know」)、予想以上に素晴らしい出来ですので、「つづれおり」しか知らない方もぜひ一度お聞きください。
2002年 2月 YASU    



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左り馬