コ:小林 旭
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2002年2月21日に、大滝詠一企画・監修の「初期作品集」のCD(1枚1,575円)が4枚同時に発売されたマイトガイ旭。僕も早速その中の1枚「アキラ3:主題歌&ヒット集」を買いました。58年から63年までに、日本コロムビアに残された音源の中から映画の主題歌を中心にしたコンピ集なんだけど、とにかく声が若い!58年の「ダイナマイトが百五十屯」なんか、声が高いのは知っていたとしても、余りに一直線な歌い方に驚く。高田浩吉のミュージカル時代劇にも似た明るさというか開放感があるが、これが、昭和30年代前半の時代の雰囲気なんだろう。(加山雄三の超初期の作品「夜の太陽」「大学の若大将」などの歌にも、時代的には少し後だが同じ匂いがする)しかし、「アキラ3」に収録の作品で言えば、時代が1960年代に入り、「さすらい」「北帰行」などになると、歌い方にも情緒というか翳りのようなものを感じるのも、その時代の持つもう一つの顔なのかも知れない。
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<俺もあの娘も若いから、胸の涙もすぐかわく…>と歌われる「ギターを持った渡り鳥」を聞くと、撮影所がフル稼働で新作を次々に量産していた日本映画の良き時代を思いおこさせる。僕の小さな頃、うちの店の隣りが東映の封切り館(京都花月)で、その隣りが京都日活(旧帝国館)だった。どちらも、顔パスだったけど、日活の映画は子供にはまだ興味が持てなかったのか?日活では、「大巨獣ガッパ」ぐらいしか印象にない。しかし、看板やポスターそしてスチール写真は、変わる度にいつも見ていて、○○ガイなどの呼び名は知っていた。そのマイトガイ旭の代表作「渡り鳥」シリーズは、70年代前半に起こった日活アクシヨンの再評価(池袋文芸座のオールナイトとキネマ旬報<渡辺武信による検証と分析の連載>などの影響によるマニアックなブーム)の際出会い、今では何度も同じビデオを観てしまう僕のお気に入りだ。ストイックな主人公の性格は、今観るとカッコよすぎるが、その主人公の活躍を満員の映画館の中で手を握りしめて(これは、僕の想像ですが…)観ていた観客の事を思うと、昭和30年生まれの僕は、良き時代に育ったもんだと思う。「渡り鳥北へ帰る」の中で、渡り鳥の旭に思いを寄せる浅丘ルリ子が、旭の亡くなってしまった昔の恋人の話を聞いて、「昔の事を思い出させてごめんなさい。」と詫びるシーンがあるが、それに応えて旭が言う台詞、「思い出す…てのは、忘れてるからだろう。俺は忘れない。だから、思い出す事もないさ」は、何度聞いてもカッコイイ!そして、連絡船で去る旭を見送るルリ子は、「あの人は帰って来ない。あの人の事は何でもわかるの」と呟く。プラトニックな関係の二人なのに…である。そこに流れる「ギターを持った渡り鳥」の歌声…。小さくなった連絡船にエンドマークが出て、あ〜おもしろかったと映画館を後にする観客。この曲を聞くだけで、僕が子供の頃、新京極の映画館がはねる夜の街の風景が浮かんで来るんだね。
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映画の話から音楽の話に戻すと、96年に発売されたライブ盤は強烈である。たぶんその前年に行われたのであろう、東京スカパラダイスオーケストラと共演した日比谷野音でのライブ盤「アキラ節〜アキラのジーンとパラダイス」は、「ダイナマイトが百五十屯」からスタート。「ダンチョネ〜ズンドコ〜ツーレロ〜恋の山手線〜自動車シヨー歌」のメドレーも圧巻です。この頃の小林旭は、もうほとんど本篇に出ていないのに、やはり映画スターの貫禄充分で決まってます。声は、少し落ちついてドスが加わったにしても、高音の魅力も健在で、とくに、<からすの野郎どいていな…>や<街のみんながふりかえる…>などの歌の出だしがスゴイ!そして歌詞の冗談度もバツグンです。<素っ東京なことばかり、何んだ神田の無駄づかい、僕はいささか秋葉原…>とJR山手線を一周する「恋の山手線」など、旭が歌うと妙におかしいけれど、洒落てます。ホント、このCDは、超おすすめです。現在、全日本プロレスで戦っている天龍源一郎に感じる凄みと男の哀愁を思うと、映画スター小林旭の新作を大きなスクリーンで観たいものです。カッコイイと思うよ!
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2002年 2月 YASU
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