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漂月記

03/7月deYASU

秋に開催の「新京極映画祭」の作品選定のため、映画館に行ったりレンタルビデオを観たりの日が続きますが、今年は<老いも若きも元気の出る映画特集>のため、元気の出る映画を探しています。そんな訳で、ブッキングをお願いしているSさん推薦の「ブルークラッシュ」と、女性に評価の高い「猟奇的な彼女」の2本を劇場で観ました。どちらも、男性に左右されないカッコよさと男性に頼ってしまう可愛さの両方のキャラクターが主人公の女の子に与えられています。あくまで男性の視点で描かれた女性の枠は出ていないと思うのですが、女性の評価が高いのは、どちらの映画も男に対して女の子が主導権を持っているからなのでしょう。いつも女性に振り回されている我が身には、ちと辛い映画とも言えます。「猟奇的な彼女」は、前半のテンポがスゴイ。観ているこちらも映画に振り回されるような気がします。映画はおもしろいのですが、あんなワガママ女は、例え美人でも僕は御免です。「ブルークラッシュ」は、何処まで実写か判りませんが、サーフインのシーンの迫力がスゴイです。主人公が自分自身の恐怖に打ち勝ち、一歩踏み出す勇気の対象として、波そのものが恐ろしい存在として描かれています。水中の映像も含め、競技としてのサーフインの危険度を描く事が、映画を引き締めた印象にしました。しかし、有名人で金があってイケメンで女好きな男が、主人公の恋のお相手というのが、ドラマを薄っぺらくして、そこが残念なところです。納得出来ないのは、たぶん僕の嫉妬だと思いますが…。

薄っぺらいと言えば、フジテレビの月曜9時枠の連続ドラマ「東京ラブシネマ」。子供が録画していたビデオテープを馬鹿にしながら観ていたのが、そのユルイ展開にいつしかハマリ、今や気分はすっかりココモの社長です。映画配給会社を舞台に、映画をヒットさせる事に情熱を燃やす弱小配給会社の社長に、江口洋介。喧嘩相手がいつしか恋のお相手となる大手配給会社のキャリアウーマンに、財前直美。配給権を争奪した映画の公開を巡り、モトカレ・モトカノジョとの再会も仕事関係で絡まって来て、最後は…。というストーリー。ユルイ恋愛話です。でも、江口洋介の顔がいいんだな。「諦めたのかい、ビリー」を合言葉とする部下の雨上がり宮迫も、仇役の竹中直人もいい。頭がクラクラする程、違和感のある鷲尾いさ子や大江千里の台詞廻しにも、途中からは慣れて来た。毎週同じドラマを観る楽しみというのは、こういう事なんだとはじめて体感した次第です




道頓堀の夏芝居は、中座から松竹座に引き継がれて、今年は松島屋さんの権太が出ました。「義経千本桜」の「すし屋」は、度々上演されますが、前段の「木の実」と「小金吾討死」がつくのは珍しく、僕は初見でした。「すし屋」の段に至るプロセスがよくわかると共に、吉野という場所設定が明確になり、ドラマとしての奥行きはぐっと深まった印象になります。権太と言えば、先代松緑の立ち姿が目に焼きついていて、小太りな小悪党の姿が刷り込まれていますが、当代の仁左衛門の権太は、すらっとしてカッコよく、田舎の突っ張り兄ちゃんという感じです。しかし、演出は上方流で泥臭く、河内屋(実川延若)さんの権太は未見ですが、今回の演出はたぶんそれに近い関西風味です。煙が目にしみて涙が…などリアルな表現で、人間臭いキャラの権太になっていました。とくに、「木の実」の場で女房小せんと子供の姿を見せられていると、身代わりとして梶原に差し出される哀れが伝わり、様式よりドラマが伝わる演出。廻りでは、泣いてるおばちゃん多数でしたから、演出意図としては正解なんでしょう。我當の梶原の顔が赤ら顔で無かったのが疑問でしたが、これも上方の演出なのかな?実は、「すし屋」は、僕が大学3年の時に、大手町日経ホールで自主公演した演目の一つで、非常に思い入れがあります。僕は、弥左衛門女房つまりお婆さんを演りましたが、自分の役は今も気になりますね。長く後ろで控えていて、前に出る時は、足の指を伸ばさないと歩きにくいだろうなとか、そんな事ばかり。舞台に出たのは一度きりでしたが、相当に練習していたので、本番では不思議に緊張しませんでした。幕が降りた瞬間の事は、今も思い出します。「もうこれで、練習しなくていいんだ。」

そして、ケイコ・リーです。ブルーノートでジャズという大人の雰囲気は好かんのですが、行って来ました。前回のアン・サリーの時に比べて、金の有りそうな?人が鈴なりの大阪ブルーノートの場内。メニューでイチ安いエビアン水を飲みつつ待っていると、実力者揃いのバックバンド「DOKI DOKI MONSTERS」登場。メンバーの中では、ドラムスの渡嘉敷祐一が最高。僕の好きなビシッて感じです。フアンク調の曲もバッチリ、ケイコ・リーの地から湧き起こるような声に呼応するビートを刻みます。ケイコ・リーは、CDと同じく迫力のある声だけど、生で聴くとホントびっくり!リアルな声の表情がビシバシ伝わって来ます。オシャレよりアーシー、クールよりフアンキーという感じのバンドサウンドに乗せて、歌いまくるケイコ・リーは、大層カッコイイ。「ピンクキャデラック」のようなノリノリの曲が中心の選曲も、会場の客をちょっと引き気味にさせたけど、僕は満足でした。アンコールでピアノに向かって歌い出したのが、ユーミンの「卒業写真(英語バージョン)」。最後まで自分のスタンスを崩さず、ニッコリ笑ってステージを降りるレデイ。次は、どんなだろうと期待させるオトナの女。惚れてしまいました

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