漂月記
| 03/12月deYASU |
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12月の京都と言えば、南座の顔見世ですが、東西の役者の東方が薄いのが近年の残念なところでした。しかし、本年は東方より猿之助、玉三郎に雀右衛門という豪華でバラエティな配役。楽しみにしておりましたが、猿之助休演という事で、少々ガッカリでした。夜の部の「鬼一法眼…」は、仁左衛門が一條大蔵卿を代演して、これはこれで大変けっこうでしたですが、久々に猿之助さんのお芝居が観たかったです。雀右衛門さんは、仕どころの少ない役でしたが、八十の齢を超えても、お元気そうで何よりです。やはり、京都の酒場でも「ジャックと呼んでくれ!(テレビでの勘九郎の発言)」なんて言っておられるのでしょうか?「廓文章」の仁左衛門、玉三郎はどちらも姿が良くきれいの一言、舞台に花が咲いたようでした。切りの「華果西遊記」は、とにかく楽しい舞台。右近をはじめ猿之助一門が、宙乗りを含めケレンなお芝居を若々しく熱演したという印象で、後味さわやかに打ち出されました。歌舞伎の演目として違和感があるという劇評も目にしましたが、時代もの、舞踊、世話ものと来て、最後の演目ですから僕は、大正解だったと思います。顔見世は、入場料金が高額な事もあり、けっこう招待や接待のお客も多いのです。はじめて歌舞伎を観たと思われる人が「楽しかった!」というおもいを、連れの人に伝える光景を観ると、こちらも嬉しくなります。1月は、浅草公会堂で花形歌舞伎の予定。こちらはお江戸の正月気分で楽しみです。 |
| 青山劇場での東京公演に引き続く大阪厚生年金中ホールでの「つかこうへいダブルス2003/飛龍伝」の楽日に行って来ました。思えば、70年代高田馬場の線路沿いにあった小劇場(東芸劇場?)で上演された「初級革命講座・飛龍伝」(今となっては、長谷川康夫の顔が印象に残るだけですが…。)が、90年になってリメイク、冨田靖子が主演と聞いた時は、ナマ冨田体験が出来ると思ったのですが、それは叶わず!その後、内田有紀バージョンを観ました。今回は広末涼子が主演です。妊娠報道で、ワイドショーのクルーや新聞記者が集結する中行われた楽日の公演は、広末の動きが重く、話の重さと相乗して重い雰囲気の舞台になりました。相手役の筧利夫は、役が乗り移ったかのような素晴らしい演技で、長台詞では、つか口調?のパターンを超える筧の個性が、たいそう感じられました。広末も確かに熱演で悪くはないのですが、相当腹が据わっている女に見えてしまうのが、残念です。神林役には、もっと可憐さと儚さが要求されるのではないか?と思います。カーテンコールは、こちらが乗っている芝居の時は夢のような時間ですが、今回は早々に退出しました。すると、出口で報知新聞の記者からコメントを求められたのです。「カーテンコールで、広末さんのおめでたの話は出ましたか?」僕は、「いいえ。」の返事をしましたが、記者さんゴメンナサイ!カーテンコール中に筧がそれを叫んでいたらしく、翌日報知の記事だけが誤報になっていたのではと、今も気になっています。何度も再演されるつか作品の中で、「熱海殺人事件」は何度でも観たくなる作品ですが、「飛龍伝」は正直辛いものがあります。劇の構造が、悲劇だからでしょうか?74年にはじめて観た「熱海…」(日芸演劇科卒業公演)では、木村伝兵衛の電話を利用した独白のバックに和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」が流れ始め、幕となりました。その後、つかこうへい演出の「熱海…」で、何度「LET IT BE ME」を聞いても、僕ははじめて観た「熱海…」で聞いた歌のフレーズを思い出します。<やさしさや、いたわりや、ふれあう事を、信じたい心が戻って来る>「熱海…」という芝居には、都会の孤独と絶望の果てに、いつも希望があって欲しいという願いがあります。たぶん、僕はそこに惹かれ続けているのでしょう。 |
| PS 2年間、漂月記を書いて来ましたが、筆が追いつかず、一旦終了します。 |
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