漂月記
| 02/5月deYASU |
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5月の連休は「春一番」のコンサート、この定番は70年代の大阪の風物詩だったけれど、79年を最後に長い間お休みとなった。79年は岡山に住んでいたのに、行きましたよ天王寺野音!竹内まりやとセンチの演奏の時だけ盛り上がる一部の観客に「春一番」の終焉を感じたというのは、後からの感想で、リンダ・ロンシュタットになりたくても(声質のせいで)なれなかった当時のまりやのロック志向を感じられただけでも、70年代のロックを同時代として体験した者として、幸せを感じます。その日、今は故人の西岡恭藏氏の「ジプシー・ソング」の<バイ・バ〜イ、君にバイバイ…>に乗せて炸裂した石やんと山岸のギターバトルは、70年代の「春一番」の最後を飾るにふさわしい演奏として記憶にある。95年に大々的に復活(FMの生中継とNHKBSでの放映もアリ)の後、大阪城野音から服部緑地野音に場所を移してからは、主宰者の風太と阿部ちゃんのペースでだらだらと(これ、誉め言葉です)毎年続いており、私はと言えば、その服部緑地に何回か足を運んでは、ひなたぼっこを楽しんでおります。今年は、最終日に行きました。今年のお目当ては大西ユカリで、何と出て来るまでに6時間程待ちました。待っている間の数あるメンツの中で一番は、やっぱり石田長生。パンクラスみたいにますます純化する石やん。興味の対象は、アジア視点のワールドワイドとなり、POPさからどんどん離れていく事も折り込み済みの覚悟には、敬服と危惧(石やん、すみません!フアンは過去も気になるのです)の念を抱きますが、それをぶっとばすのがベースのしみちゃんこと清水興。しみちゃんが首を振る度に、石やんの新しい楽曲にグルーブ感や(理屈抜きの)パワーを与えてくれます。石やんのバンドにしみちゃんがいる限り、私にとって石やん=ロックの魂です。 さて、浪速のゴッドねえちゃん「大西ユカリと新世界」です。阿部ちゃんの紹介にかかると、「わし、昔から知ってるんやけど、乳の小さいねえちゃんです」というざんない事になりますが、6時間待ったかいがある濃いパフオーマンスでした。まず、キーボードの食い倒れ人形のような兄ちゃん(髪は、七三に横分け)が、呼び込むMC(JB風味)に乗せて2人の女性ダンサーと共に登場。これでまず客を掴むが、一緒に出て来るSPが笑える。おいおい、お前とこはJBか!永ちゃんかい!!しかも、ステージ横で終始腕を組むSPのスーツからは、算盤が出て来るサービス付き。トニー谷とレイ・チヤールズの合体技「あなたのお名前なんてーの?ホワット・アイ・セイ風味」が始まるや、客席も盛り上がってのコール&レスポンス。「ハイ、ハーイ!エイ、エーイ!」とGOGO大会です。60年代後半から70年代の歌謡曲がベースのオリジナル曲も良く、「大西ユカリと新世界」すき焼きの煮詰まった残りに次の日うどん入れたみたいな濃い味のするグループです。好評発売中の2枚組ライブCD「実録大西ユカリシヨウ」もよろしく!「手拍子お願いします。前打ちで!」のMCも聴けます。 |
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西にユカリならば、東はKENさんという事で、待望のクレイジーケンバンド(以下CKB)のメジャーデビュー記念ツアー「2002 GRAN TURISMO」に行って来ました。心斎橋クアトロは、おしゃれなんかダサダサなんかわからん人達で超満員。大西ユカリを観た後では、非常にスマートに感じるCKB、いきなりの「せぷてんばぁ」からスタート。のっさんの70年代ロックっぽいギターソロもはさんで、どちらかと言えば淡々とした進行。しかし、バンドはよくまとまっていると思った。KENさんもCKBのボーカルという位置がやりやすそうな感じ。大西ユカリと新世界もそうだが、歌謡ロックの決め手はサックスね。という事で、サックスのソロも充分にフィーチャーして、くどい味わいを出しておりました。「黒いオートバイ」や「シャリマール」など聴きたかった曲も聴けたけど、やはり失恋ソングの超名曲「せぷてんばぁ」をラスト近くで聴きたかったなと思いました。でも、5月は初モノ2連発で、いいね!いいね!いい〜ね! そして今月の感涙モノは、「クレヨンしんちゃん」最新作「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」です。上映最終日にようやく新宿で間に合いました。その映画館は、新宿文化の跡地にあり、ここで櫻社の芝居を観たなとか、地下の蠍座で浅川マキを聴いたとか何かと思い出す場所です。さて、今回の「クレシン」は、原題が「青空侍」というステキなタイトル。戦国時代、空ばかり見ている浮き世離れした武将とお姫様の純愛をテーマにしているが、このストーリーが清々しい。純愛の成立しにくい時代にこのテーマ。監督は、ユーミン並の確信犯のようだが、さらに前作と同じほろ苦い結末を用意して、ダメ押しする。子供たちは、どんな印象で映画館を後にするのだろうか?しんちゃんのキャラとギャグでうまく薄められているが、今回も人間が生きるという意味を観客に問いかける映画に仕上がった。私にとっては、「千と千尋…」の10倍こころに残る映画となった「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」。空を見上げると、雲の合間に当分「青空侍」が居るようだ。
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